株やFX・バイナリーオプションなど、投資にかける時間はけっこう多いものです。
忙しい社会人に裁量トレードは負担が大きいということで、最近では手軽に取引に使うことができる自動売買が流行しています。
FXではすでに自動売買が一般化していますが、バイナリーオプションの自動売買はどのようになっているのでしょうか。
今回、そもそもバイナリーオプションで自動売買ができるのか・勝てるのかということについて考えていきたいと思います。
もくじ
バイナリーオプションの自動売買とは?
まずはバイナリーオプションの自動売買とは?というところからです。
外部ソフトを使用して、エントリーや決済の注文を自動化するシステムのこと。エントリーのタイミングをシステム化し、自動で発注してくれる。
バイナリーオプションといえば、現在の価格よりも将来の価格が上がるのか下がるのかを予測する投資商品です。
でも多くの人はエントリーポイントが掴めず、なかなか利益を出せない現実があります。
また、自動売買を使えば、人間のメンタル面の影響を排除してくれます。人間のメンタル面の状態によって、最適なトレードを行うのが難しくなることはよくあります。
ですが、自動売買でエントリーを行うのは機械です。人間のメンタル面を完全に排除できるため、ロジック通りのトレードを行いやすくなるというメリットがあります。
ただ、バイナリーオプションでは自動売買ツールは自力で用意しなければいけません。
FX業者:自動売買システムが完備されていることもある
バイナリーオプション業者:ほとんどが自動売買に対応していない
そのため、バイナリーオプション業者の提供するサービスとは別に外部ツールを利用することになります。
一般的にはFXでおなじみの取引ツールMT4で売買シグナルを拾い、専用にアプリケーションを使ってハイローオーストラリアなどのバイナリーオプション業者にエントリーや決済の指示を送ることになります。
このようなソフトやアプリケーションを使用することで、注文金額から決済ポイントまで、投資に関するすべての判断を完全自動化することが可能になるというわけです。
バイナリーオプションでの自動売買はほとんどの業者が禁止している
投資で自動売買ツールを使用するためには、そもそも口座を使用している業者で自動売買が認められていなければなりません。
FXでこれだけ自動売買が流行っているのは、ほとんどのFX業者で自動売買が認められていたり、FX業者の取引プラットフォーム内で自動売買を行うことができたりするからです。
では、バイナリーオプション業者の自動売買への取り扱いはというと、残念ながら禁止されている場合がほとんどです。
例えば、ハイローオーストラリアの公式サイトでは、口座契約条件の6条第16項で以下のような表記がされています。
「お客様は、以下に関連する法律または規則のみならず、オーストラリア会社法、規則またはその他の関係法令に違反しているか、または当社もしくは他者に違反させるような取引を行う本注文を出す指示を、当社に対して行ってはなりません。」
そして、以下に関連する法律または規則の中で、次のような取引が明記されています。
「市場操作、架空取引、相場操縦、ブラックボックス取引、スキャルピング、偽装売買、 自動売買ソフトの取引、注文のマッチング」
ここで注意が必要なのは、自動売買に関する禁止事項がバイナリーオプション業者の公式サイトに明確に記載されていないということです。
どうしても自動売買を行いたいという方は、バイナリーオプション業者の規約を見て自動売買に関する扱いをチェックしておきましょう。
その上で、必ず業者に自動売買が可能かを問い合わせることをオススメします。
このようにバイナリーオプション業者では自動売買を禁止している場合がほとんどですが、バレないと思って自動売買を行おうとするトレーダーが一部要ることも事実です。
バイナリーオプションの自動売買は業者のプラットフォーム外で行うため、一見ばれないと感じてしまう人がいるようです。
しかし、自動売買の取引履歴を見ればバイナリーオプション業者にばれてしまう場合がほとんどです。
・複数のトレーダーが同じ動きで取引をしている
・毎日たくさんの取引をしていて稼働率が極端に高い
・機械的な動きが何度も確認される
裁量取引にはない動きが自動売買ではどうしても出てしまうのです。
バイナリーオプション業者で自動売買が禁止されているにもかかわらず行った場合、バレてしまった時の損失はかなり大きなものになってしまいます。
①利益の取り消し
②出金拒否
③口座凍結
④強制口座解約
1回でバレることはほとんどありませんが、繰り返し自動売買で取引をしているとバレる可能性は高いです。
バレない可能性もありますが、バレたときの重たい処分を考えれば割に合わない行為であることは言うまでもありません。
もちろん、ルールを守るという意味でも、自動売買が禁止されている業者で自動売買を行うことは絶対にやめておきましょう。
自動売買では勝てないことがほとんど
たとえ自動売買が認められているバイナリーオプション業者で取引を行ったとしても、残念ながら勝てないことがほとんどです。
場合によっては大きな損失を出してしまうことがあるでしょう。
なぜバイナリーオプションの自動売買で勝てないことが多いのでしょうか。その理由を考えていきます。
勝てない理由① 販売業者は利益を最優先にしているから
自動売買ソフトの販売業者は高額でツールを売り大きな利益を上げようとします。
利益率◯%・勝率◯%などというインパクトのあるキャッチーなフレーズで販売することで、引っかかる人が出るのを待っているのです。
もちろん、リピーター獲得はほとんど考えていません。リピーターを獲得しようとすると、それなりに良いロジックを持った自動売買ソフトを作る必要があるからです。
①優秀な自動売買ソフトは費用もリスクも発生する
②リスク軽減をして安くソフトを作る
③勝率や利益率は二の次になる
④無料ソフトレベルの自動売買が完成する
このように最低限のコストでリスクを抑えて無料ソフトレベルの物を販売します。
低レベルな自動売買であることは購入者にはすぐにバレるので、新規顧客を狙って売上をあげようとしているのです。
FXの凄い人が教えてくれた本当の話。
最近AI搭載の自動売買システムってよくあるけど
あんなのは全然AIではないみたいです。
本当にAIを搭載して作ると数十億のお金が必要で
個人のトレーダーぐらいでは手が出せないそうです。気を付けましょうね。
— バイナリーにツールは必要ありません! (@candyblue) November 26, 2020
ユーザーにとって何のメリットもない自動売買ツールが横行している現状があるため、ツールの購入は絶対に避けなければなりません。
勝てない理由② そもそも裁量トレードの方が優れているから
自動売買ソフトは組み立てられたロジックにのみしたがって売買するため、人間の感情を抜きにしてトレードできるという大きなメリットがあります。
しかし一方で、微妙な変化を読み取るのは自動売買システムは苦手です。
・ファンダメンタルズ
・経済情勢の変化
・場面心理
これらの微妙な変化を読み取ることは人間の方が優れていると言えるでしょう。
きちっとしたロジックがあり感情に左右されないトレードができるのであれば、自動売買よりも裁量トレードの方が成績は良くなります。
自動売買は絶対勝てないといわけではありませんが、前述したように利益を最優先とする業者が販売する詐欺まがいの自動売買ツールが横行しています。
そんな自動売買ツールでは安定的に勝つことは非常に困難と言えます。
やはり裁量トレードの技術を磨いていくことが、バイナリーオプション勝つための近道となるでしょう。
バイナリーオプションの自動売買ツールには詐欺まがいのものが多い
ここまで説明したように、バイナリーオプションの自動売買ツールは、残念ながら詐欺まがいのものが巷にあふれているという現状があります。
ここからは、詐欺まがいの自動売買ツールの特徴や、自動売買ツールを使用してみた体験談などについて、SNSに上がっている評判を紹介していきます。
高額なツールを販売されたうえ、マルチ商法をやる羽目になる
月収100万円越えや勝率8割超えなど、ついつい甘い言葉に誘惑され、高額な自動売買ツールを購入してしまう人がいます。
普段は10万円を超える買い物は絶対にしない人でも、儲かることを考えれば、10万円以上の高額ツールでも安いと感じてしまう傾向があります。
もちろん、そのような自動売買ツールで勝てるようになるはずがありません。
バイナリーでサインツールはまだしも、自動売買とかほぼ詐欺だよ。8割くらいの人が使ってるハイローで使ったら凍結ものだもん。勝ってる画像だけの人とかマジでそんなのないから!勝ち負け繰り返してトータルで勝ってるかどうかだから気をつけて
— バイナリーオプション始めました。 (@demobainari) November 28, 2020
結局、購入代金を回収できず、今度は同じ販売業者に誘われ、マルチ商法でツールを販売する側に回ってしまうことがあります。
結局マルチ商法ではお小遣い程度は稼げるものの、良くて自動売買ツールの金額を回収するのがやっとという状態です。
トータルで見れば、時間とお金の無駄に終わるという残念な結果になってしまいます。
マルチ商法が法律的にグレーゾーンの行為に触れてしまう可能性もあるため、警察沙汰になるリスクも無いわけではありません。
ムダなリスクを冒す必要はないので、絶対に購入しないようにしましょう。
そもそもバックテストの結果が信用できない
自動売買ツールでは過去のデータを使ってバックテストを行い、性能や価値が決まります。
バイナリーオプションの自動売買ツールの宣伝には、バックテストの優秀な成績から勝率の%や月間利益のシミュレーション結果が用いられます。
しかし、このバックテストの結果が信用できないという声が多数上がっています。
・数値の改ざんができる
・インジケーターを移動させることができる
・検証期間を操作すれば成績を上げることができる
上記のことが理由で信憑性は低いと言われているのです。
例えば過去半年のバックテストでは勝率7割を達成していたとしても、過去3年間のバックテストでは勝率4割ということも少なくありません。
この場合、都合の良い成績である過去半年のバックテストの結果を宣伝するはずです。
検証期間を選択することで、意図的にバックテストの成績をアップさせられるということを覚えておいてください。
自動売買システムの成績で信頼できるのはリアルタイムで検証を行っているフォワードテストです。
でもバイナリーオプションの自動売買ツールの宣伝にはバックテストが用いられています。
LINE登録で自動売買を無料提供
LINE登録などによって、無料で自動売買を提供してくれる場合があります。
ついつい無料というワードに釣られて、LINEを登録してしまう人が結構いるようですが、こうした勧誘には注意が必要です。
無料で自動売買ツールを提供する業者の狙いは、ユーザーが自動売買取引を行うごとに入ってくる報酬です。
業者はユーザーの利益よりも、自分の懐に入ってくる報酬をいかに多くするかに必死です。
一人でも多くのトレーダーに自動売買ツールを使ってもらうために、積極的に勧誘を行ってきます。
確かに自動売買ツール自体は無料で使えますが、自動売買ツール自体に力は入れられていないので、やはり勝てないツールがほとんどということになります。
勝ったときだけ宣伝している
業者がバイナリーオプションの自動売買を販売するとき、うその情報だけでなく真実の情報を使って宣伝されることもあります。
しかし勝ったという情報であっても継続的に勝てているわけでなく、勝った時だけの情報が掲載されている場合も多々あります。
トータルで見ると勝ち負けは50%あればよい方で、負けている場合も数多くあります。
勝った時だけの成績を掲載しているのかどうかは、実際に取引ツールを購入してトレードしてみないと分かりません。
ただ明らかに勝率が高すぎる場合、勝ったときだけの成績を掲載していることが多いので甘い言葉に騙されないように注意してください。
まとめ
結論を言うと、バイナリーオプションの自動売買は行わない方が良いでしょう。
・バイナリーオプションは自動売買を禁止していることがほとんど
・自動売買ツールはまがいものが多い
この2点を考えればバイナリーオプションで自動売買を行うメリットはほぼないと言えます。
バイナリーオプション取引では自動売買トレードに頼らず、裁量トレードの技術をどんどん磨いていくことをおすすめします。